ドラムとは?
主にバンドなどでドラムと言われているのはドラムセットの事です。
本来ドラムとは打楽器一般、つまりパーカッションを指します。複数のドラム(スネアドラム、バスドラム、タムタムなど)やシンバルなどを組み合わせたものをドラムセットと言います。
ここでは主にこのドラムセットを中心にまとめていきたいと思います。
ドラムセットについて
ドラムセットには様々なセッティングの仕方があります。叩きやすさや見た目など個人個人で研究しながら自分のセッティングを考えていく物だと思いますが、初心者の方のためにも一般的なセットの説明をしたいと思います。
ドラムとは?
リズムの核となるのがこのスネアドラムだと思います。
もちろんジャンルによりリズムの核となるものは違いますがポピュラーミュージックには2,4と呼ばれるバックビートがかかせません。そのバックビートを主に打ち出していくのがこのスネアドラムです。(バックビートについてはまた後述します!)
それではどのようなパーツから成り立っているか説明します。
サイズは14インチ(口径)×5インチ(深さ)のものが一般的です。
ヘッド
スティックのチップ部分で叩く場所です。
各メーカーから様々な種類のヘッドが出ておりこれを変えることによりスネアドラムの音が変わります。(しかし!厳密に言えば他のパーツ1つ変えるだけで音は変わってきます。)
フープ
スティックのショルダー部分で叩く場所です。
オープンリムショットやクローズドリムショットを使う時に叩きます。
シェル
スネアの胴部分です。ヘッドを叩いた振動がこのシェルの中で反響、増幅します。
主に木胴と金属胴の2種類に分かれその中にも様々な種類があります。
テンションボルト
ヘッドとシェルを止めるためのものです。
スネアでは片面8個~10個の物が多いです。このテンションボルトの締め方の調節でチューニングをします。人によりチューニング方法は異なりますが、基本的には対角線上(☆を書く感じ)に締めていくのが一般的と思われます。
ラグ
先述したテンションボルトを止めるためのものです。
シェル自体に付いています。テンションボルトもラグも1つでも無いと均等に圧力がかけられなくなり非常にチューニングが困難、またはスネアとして機能しなくなってしまいます。
ストレイナー
スナッピーを止める為のパーツです。
オン、オフの切り替え、スナッピーをかけるテンションの調節などを行います。各メーカーにより調節の仕方なども異なりますが左右均等にスナッピーを装着できれば問題ありません。調節は自分の好みで!
スネアサイド
裏側のヘッドの部分です。
このスネアサイド部分のチューニングも非常に大事です。いくら表のヘッド部分を最高にチューニング出来たとしても裏側のスネアサイド部分を適当にすると全く鳴りません。何事もそうですがバランスが大事です。
分からなくなったら裏表同じテンションにするのが1番いいと思います。
スナッピー
スネアサイドにくっつける事によりスネアの音を出すスネアの核部分です。
タム類とスネアの違いはこのスナッピー部分です。このスナッピーを変えるだけでスネアの音も大分変ります。良いヘッドを見つけるよりも良いスナッピーを見つけた方がヘッドも探しやすくなると思います。
ドラムセット各部の名称


ドラムセットを正面から見た様子
足元の様子
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スネアドラム
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バスドラム
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ハイハット
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タムタム
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フロアタム
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クラッシュシンバル
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ライドシンバル
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ペダル
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ドラムスローン
このようなセットが一般的なものとなっています。(現在のスタジオやライブハウスにはこのセットが基本置いてあります。)
スネアドラム
スネアドラムの各部名称


足元の様子
ひっくり返した図
スネアドラムの裏側
シェルの種類・材質について
シェルは大きく分けて金属製シェルと木製シェルの2種類に分類されます。
金属製シェル
金属製だけあって固くアタックが強いのが特徴。
ロック、ハードロック、メタルなど音量、音圧が欲しい人にオススメ。
素材の硬さ
←硬い 柔らかい→
チタン ステンレス スチール コパー ブロンズ ブラス アルミ
スチール(鉄)
鉄から作らており金属製シェルの定番とも言えます。
金属製シェルでは素材となる金属の硬さにより音量、音質が変化するのでこのスチールシェルを基準と考えるのが良いでしょう。
音の輪郭もしっかりしていて抜けも良くアタックもしっかり出るシェルです。
静かな演奏にはあまり向きません。
ブラス(黄銅)
スチールに比べ柔らかい音がします。
また倍音が多いので豊かでバランスの取れた深みのある音です。
チューニングでは倍音に気を付けた方がいいでしょう。
アルミニウム
缶飲料などでも分かるようにスチールに比べ非常に柔らかく金属シェルの中でも一番明るく軽い音が出ます。
反面低音は少し出辛いように感じます。
金属製を使いたいけど軽い音がいいという方はコチラを。
カッパー(銅)
ブラスよりも低音が効いていてレスポンスが速いのが特徴です。
使い方によってはオールジャンルで使えます。
が、チューニングが他のシェルより難しいです。
ステンレス
高音がくっきりでるシェルです。
アタックはかなり強め。
また小さな音にも反応しやすくこの点はブラスやアルミにも少し似ています。
チタン

恐らく金属製シェルで一番硬いと思われます。
アタックも非常によく出て攻撃的なサウンドです。
大音量でプレイしたい人向けです。
難点は持ち運びの時重い所。
ブロンズ(青銅)
同じ銅製のカッパーよりも落ち着いてるサウンドです。
あまり目立たないかもしれませんがその分他の楽器を邪魔しないと言えます。
あまりスネアを主張させたくない人にはオススメ。
ベルブラス
通常のブラスシェルに比べ厚く作らていています。
素材はブラスで同じですが厚く切られているためパワー、倍音なども増します。
ブラス系にも言えることですが倍音の扱いに注意が必要です。
ベルブロンズ

ベルブラスと同じくブロンズを厚く切って作ったもの。
普通のブロンズよりもパワー、アタックなども増すので他の楽器陣に埋もれる心配はありません。
木製シェル
木特有の暖かみのある丸いサウンドが特徴。
ジャズ、ポップスなど繊細な音が欲しい人にオススメ。
メイプル(カエデ)


軽くて硬い素材で明るく暖かいサウンドが特徴。またアタックも十分稼げます。
ウッドシェルはこのメイプルシェルを基準に考えると良いと思います。
ビーチ(ブナ)
主にドラムセット(タム、フロア、バス)に使われている素材でそこから分かるようにメイプルやバーチよりも中低音がよく出ます。
バーチよちも落ち着いたサウンドを求めるならコレ。
バーチ(カバ)
メイプルに比べ重く柔らかい素材です。
その為低音が強く高音は弱めに出る傾向にあります。
少し落ち着いたサウンドを求めるならコレ。
オーク(ナラ、カシ)
木製シェルの中では特に硬く重いシェルです。
金属製シェル並みのパワー、太さはありますが金属特有のキーンという高音は出ません。
金属製シェルは嫌だけどパワーが欲しい人にはオススメです。
ブビンガ

こちらも重くて硬いシェルです。中低音が非常に出やすくパワーもあります。
オークとは少し似ているかもしれません。
バンブー(竹)

竹から作られた面白いスネア。
金属のような硬さを持っていて音量も稼げるようです。
ゼルコバ(ケヤキ)
恐らくカノウプスのみが出しているシェルです。
アタック、鳴り、レスポンスのバランスが非常に良くとれています。また低音も十分な程出ます。
難点は値段が高いところです。
オリーヴ
恐らくpearlからのみ発売。
明るく乾いたサウンド。レスポンスも良く倍音のバランスも○。
ローズウッド

ギターの素材によく使われています。とても硬くそれにともないアタックもかなり強いです。
湿気等の影響をとても受け易いので保管には注意が必要。
マホガニー
柔らかく少し暗いサウンドが特徴。
メイプルなどと組み合わせて作られることが多いです。
マホガニーの種類によるみたいですが比較的安く手に入ります。
ポプラ(ヤマナラシ)



ヴィンテージ系のスネアによく使われていた素材です。現在ではあまり作られていない様子。
アタック、鳴りは比較的弱めですがとても暖かいサウンドが特徴。
ジャズにはかなり向いているかも。
ジャラ
市場に出回っているのは恐らくBrady社のみと思われます。
レスポンスが早く、太くて甘い音が特徴。
バスウッド
軽く柔らかい素材から出来ているので音も明るく軽い。
アンプを用いたバンドでプレイすると埋もれてしまうかもしれません。
アコースティックなら○。
Musical Instrument Maker-5
楽器メ-カ-アラカルト-5
バスドラム・タム類
バスドラム
ドラムセットの中で一番低い音を出す太鼓です。
ペダルを使い脚で音を出すのも他の太鼓と違うところです。
バスドラムとスネアドラムのコンビネーションでビートが出来上がります。

タムホルダーベース
タムタムを固定するホルダーを装着するための穴が開いています。
1つ穴や2つ穴などメーカーなどにより様々です。
スパー
バスドラムを支えるための脚です。
長さと角度が調節でき基本的には掌が入るくらいの高さに調節します。
シェルの中にはミュート材(フェルトやクッションなど)を入れて調節します。
サイズは22インチ(口径)×16インチ(深さ)が一般的です。
タムタム
様々なサイズがあり音程なども違うのでパターンとパターンをつなぐフィルなどに主に使います。
2タム1フロアが一般的ですが
1タム1フロア
1タム2フロア
2タム2フロア
など演奏するジャンルによって必要かどうか考えましょう。

基本構造はスネアやバスドラムと一緒です。ドラムスローンに座って見て左が12インチ(口径)右が13インチのものが一般的です。(深さはメーカーなどにより様々です。)
タムは口径、深さともに種類が豊富です。直径が大きくなればピッチは低く、小さければピッチは高くなります。胴が深くなるとフロアタムやバスドラムの様な丸い低音に近付き、浅くなるとアタック音が強調され明るい音になります。